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| 腰の痛み(腰痛・坐骨神経痛)に対する漢方治療 - その1 - 「 椎間板ヘルニア 」 |
椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛に「疎経活血湯」
腰の痛み(腰痛・坐骨神経痛)は、突然襲ってくる事も少なくありません。昨日までは腰に何の不調もなかったのに、ちょっと重い荷物を持ち上げようとしたら、急に腰が抜けたようになって…、これがギックリ腰です。 ギックリ腰は癖になるというか、一度やると何度も繰り返してしまう人がいます。これを繰り返しているうちに、背骨を構成する一つ一つの脊椎の間にある軟骨が飛び出し、椎間板ヘルニアを患う事になります。 事故はもちろん、病気も時として突然襲ってきます。事故や内臓の病気が原因で起こる腰痛もあります。更に言えば、老化によって背骨が変形する為に起こる変形性脊椎症なども、腰痛が始まる時は、突然発症します。今、あなたが健康であっても、腰痛への対処を考えておく事は、決して無駄ではないはずです。なにしろ腰痛は、一度患うとなかなか治りにくいものですから。 椎間板ヘルニアや変形性脊椎症などによって、腰椎から出ている神経が圧迫されて起こるのが坐骨神経痛です。坐骨神経痛の内、高齢者によく使う一般的な処方が「八味地黄丸」(はちみじおうがん)です。これに対して筋肉や関節、神経に、とりわけ激しい疼痛を生じる腰痛や下肢の痛みには、「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」が代表的な処方で、夜間に痛みが激しくなって眠れないような症状、或いは腰の左側が痛むような症状に適 しているとされています。
「疎経活血湯」は、中国の明の時代に顕された「万病回春(まんびょうかいしゅん)」という医学書に記載されている方剤です。構成生薬は、当帰・地黄・川きゅう・芍薬・茯苓・牛膝・きょう活・白し・陳皮・蒼朮・桃仁・威霊仙・防己・竜胆・防風・甘草・乾姜の17種類から成り立っています。この内、当帰・川きゅう・地黄・桃仁は、補血・強壮・駆お血(お血を取り除く)薬として、血液の循環を根本的に改善する役割を果たします。また茯苓・牛膝は利水薬で、体内の水分を調整し、きょう活は発汗解熱薬、百しは汗・よだれ・涙といった外分泌を抑制し、また陳皮・蒼朮は体内の水分バランスを良い状態にし、威霊仙・防己などは関節の痛みを抑える鎮痛剤、更に甘草・乾姜は生薬の中では数少ない温補薬で、体の冷えた部分を温め補う役割を果たします。甘草・乾姜は、冷えの為に足腰が痛くなった時に良く用いられ、温めて痛みを取る効果があります。 こうした多種多様な生薬構成により、「疎経活血湯」のすぐれた鎮痛効果が生まれるのです。
ここで、「疎経活血湯」の著効例についてお話します。
<実例1> Aさんは45歳の男性です。やや大柄で、外見では丈夫そうなタイプです。中腰で物を持とうとして、ギックリ腰になり、近くの整体院でカイロプラクティック(脊椎指圧療法)治療を受けましたが、かえって腰痛を悪化させていました。私のクリニックを訪れたのは、腰を痛めてから1ヵ月後の事でした。レントゲン検査では、脊椎や腰椎に異常は認められませんでした。しかし、いつも夕方になると、痛みに加えて腰から下が重だるくなるという事でした。「疎経活血湯」を服用してもらったところ、1ヵ月後には、腰痛も下半身のだるさも大分和らぎ、それから更に2ヵ月すると、もうすっかり痛みは消えて、完全に治った感じとの報告を受けました。
<実例2> Yさんは54歳の女性です。中背で、やや肥満ぎみです。坐骨神経痛で、長い時間歩くと右足の膝から下が重だるくなるという症状が続いていました。他の整形外科医院で、レントゲンの結果、骨粗鬆症と変形性腰椎症と診断されていました。骨粗鬆症とは、骨のカルシウムが減少し、骨が非常に脆くなり、慢性の痛みや骨折が起こし易くなる病気です。私は、「疎経活血湯」の他に痛み止めとして坐薬と湿布薬を処方しました。すると、6日後の2度目の来院時には、階段の昇り降りも出来る程、歩行が楽になり、1ヵ月後には坐薬を止め、それから1ヵ月半もしないうちに、長時間歩いた時以外は痛みを感じないまでに回復しました。
【お知らせ】 高田メディカルクリニックでは、これら腰痛などに特に有効な、ジェット水流による圧力で全身をマッサージする「ウォーターベッド」をまもなく導入予定です。導入され次第直ぐにホームページ上でお知らせ致します。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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