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| 在宅医療・訪問看護のすすめ − その12 − 「食事計画のポイント」 |
食事が人生の最大かどうかは個人差にもよりますが、楽しみの一つであると考えている人は多いと思います。と言うことで今回は、食の工夫と食習慣について述べたいと思います。 旬の食材を使った季節感のある料理は栄養価が高く、美味い上に安価に手に入ります。私が住んでいる地域(上越市高田地区)では、昔から『二・七の市』と『四・九の市』の二つの市(いち)があり、市がある日には大町通りが朝から沢山のお店と買い物客でとても賑わいます。個人の農家の人達が作って収穫した余剰の野菜や果物、おばあちゃん達の手作りの漬物やお惣菜などや様々な季節商品が所狭しと並びます。食べ物だけでなく、沢山の種類の商品がそこにはありますので、時間があるのであれば市(いち)を散策しながら半日過ごすのも楽しいと思います。この市の素晴らしいのは、作り手と買い手が出会えるという事に尽きます。市ならではですが、安心も一緒に買える様な気がします。そんな地元の旬の食材を使った郷土料理は、視覚・味覚・臭覚も刺激して胃袋も心も満たしてくれます。 食習慣には個人差があります。お年寄りと同居の際は健康な時から好物を知っておくと、意思が通じなくなった時に役に立ちます。時々ご家族の方から同居している高齢の方の食事の回数について質問がありますが、お年寄りのペースで考えてあげましょう。あまり神経質にならず、1日に食べたい回数で2食でも3食でもよく、特に拘らなくても良いと思います。気遣って頂きたい点は食品と調理の選択です。食材の組み合わせや調理の方法で、消化や吸収は良くも悪くもなります。租借(噛むこと)や嚥下(飲み込むこと)にも次第に老化現象が現れ、機能が低下していきます。食べ物を巧く噛めなかったり、飲み込みが悪くなったりします。脳血管障害などで半身麻痺があるときや、歯にトラブルがあるときには、「柔らかく」「小さく」「噛み切れる」「そのまま飲み込んでも喉に痞えない」調理方法が重要になります。また、同居家族の間で若い世代とお年寄りの世代の食事が同じである場合は、どちらかに不満が生じます。同じ食材で双方の好みに合った調理方法を工夫しましょう。例えば、湯豆腐と豆腐のハンバーグ、牛肉の叩きとステーキなど同じ食材でも調理しだいでお互いに満足感が持てます。食事量が少なかったり、繊維質や水分が足りない時には、便秘になりやすくなります。一度便秘になると、頑固な便秘につながりますので注意が必要です。
老人の死亡原因の第1位は、誤嚥性肺炎です。嚥下障害などにより、口腔内の細菌が気道に入り込むことでおきる肺炎です。この肺炎を予防するには、口腔内を清潔に保つこと、嚥下機能の低下を招かないように訓練しておくこと、調理の方法に配慮して適切な食事をとるなどで、肺炎を起こすリスクを下げることができます。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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