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| 老化防止のための漢方 − その22 − 「蓄膿症・慢性鼻炎」 |
最近ではあまり見かけませんが、私が子供の頃には鼻水を垂らした子どもが沢山いたものです。鼻の下が真っ赤になって、しかも非常に膿性のドロッとした鼻垂れの小僧達が野山を駆け回って遊んでいた事を懐かしく思い出されます。私もその集団の一人っだったのだと思いますが・・・。昔と比較して今の子どもたちは、漿液性の傾向が強いようです。 先日、7歳の男の子T君が耳鼻咽喉科で蓄膿症と診断され服薬を続けていましたが、なかなか改善されないという事でお母さんと一緒に来院しました。T君を診察してみると鼻閉・鼻漏・後鼻漏は比較的軽度で、体格はがっちりした実証タイプでした。初期の蓄膿症には「葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」が効果があるという当クリニックの症例により、2週間処方しました。2週間経過して症状はかなり改善されてきており、T君には現在も継続して服薬して貰っています。 また、慢性化している鼻炎の場合には、「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」を基本として処方します。「辛夷清肺湯」には、石膏・黄ごん(おうごん)・辛夷などの生薬が含まれておりますので、鼻が詰まっている場合には、鼻粘膜の充血をとってくれるので効果的です。「鼻づまり」、「蓄膿症」、「慢性鼻炎」に用いられています。 この他に炎症が長期化した場合には、「小柴胡湯(しょうさいことう)」、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」、「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」などの漢方との併用が必要となります。
「葛根湯加川きゅう辛夷」は、医学書の古典である『傷寒論(しょうかんろん)』、『金匱要略(きんきようりゃく)』に記載されている漢方薬です。葛根湯に辛夷と川キュウを加えて、日本で創薬された処方(経験処方)による薬方です。風邪の初期症状の時によく用いられる葛根湯に鼻炎でよく用いられる辛夷、鎮痛作用と血の巡りをよくする効果のある川きゅうを加える事によって、「蓄膿症」、「副鼻腔炎」、「鼻づまり」、「花粉症」などの治療に効果があります。 「辛夷清肺湯」は、中国明時代に著された漢方の古典「外科正宗(げかせいそう)」に収載されている漢方です。辛夷・百合・黄ごん・山梔子・升麻・麦門冬・石膏・枇杷葉・知母などの9種類の生薬から構成されている薬方です。主に 鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症などに用いられます。 濃厚な鼻汁が出たり、鼻がつまり、乾燥気味で熱感があるような蓄膿症などの症状に用いられる漢方薬で、他にアトピー性皮膚炎などの治療にも効果があります。
「荊芥連翹湯」は、漢方の古典といわれる中国の医学書「万病回春(まんびょうかいしゅん)」に収載されている処方を基に、日本で創薬された処方(経験処方)による漢方です。柴胡・白し・桔梗・当帰・芍薬・川きゅう・地黄・黄連・黄ごん・黄柏・山梔子・連翹・防風・薄荷・荊芥・甘草・枳殻の17種類の生薬から構成されている薬方です。主に、蓄膿症、慢性鼻炎、扁桃腺炎、にきび などによく効きます。 また、耳・鼻・咽喉・皮膚などにおけるアレルギー疾患を清熱、和血、解毒の作用により諸症状を改善する効果があります。
「十味敗毒湯」は、江戸時代の名医である華岡青洲によって日本で創薬された漢方薬です。その名の 由来は、八味からなる敗毒湯より枳実をとり去り、桜皮、防風、荊芥の三味を加えて十味にした事から、十味敗毒湯と名付けられました。茯苓・桔梗・柴胡・ 川きゅう・防風・樸そく・甘草・荊芥・独活・生姜の10種類の生薬からなる薬方です。化膿性の疾患、湿疹、じんましん、皮膚炎、風湿熱、などの治療薬やアレルギー疾患の体質改善などに用いられます。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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