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| 老化防止のための漢方 − その21 − 「めまいと頭痛」 |
以前から胃下垂と言われ、胃腸が弱い67歳の女性Yさんが来院されました。Yさんは普段から胃の膨満感や重苦しい感じがあり、あまり食欲がありません。時々目眩や頭痛があり、頭痛は重苦しく感じられて、時にはかなり強い痛みが伴います。頭痛の場所は色々ですが、眉から頭頂部にかけて痛む事が多いようです。足が冷え、食後に手足がだるくなり眠くて堪らない事もあります。便秘がちで下剤を常用しています。顔色は悪く、貧血状態で、腹壁は軟弱で、臍上は動悸が強く、心下部の振水音は著明で、特に下腹部正中は軟弱無力となっています。 これらの症状から、Yさんには「半夏百朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」を飲んでもらいました。めまいと頭痛は、服薬開始後から数日で消失しました。その後も症状は全く起こらず、Yさんは大変喜んでおられました。それからも継続して漢方を服薬しています。1年経過しておりますが、再発はしていません。また、胃の症状も殆どなくなり、食後の眠気や手足の倦怠感もなくなりました。 「半夏百朮天麻湯」証としては低血圧が多いのですが、高血圧の場合もあります。この他、「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」等も使われます。
「苓桂朮甘湯」は、中国の医学書「傷寒論」や「金匱要略」に記載されいる漢方薬です。主に水滞によっておこる諸症状の治療に度々用いられる薬方です。東洋医学では、胃内停水で過剰な水分があり、尿量が少なく体液の調節がうまくいかず、体内の水分の偏在、代謝異常の症状を水滞といいます。比較的体力の低下した人が、この水滞によってめまい、息切れ、動悸、頭痛、のぼせ等を引き起こした場合に、有効であるとされています。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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