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| 老化防止のための漢方 - その18 - 「めまい」 |
ある日、57歳の会社員の男性Uさんが仕事から帰った後、急に気分が悪くなり、めまいを覚えました。実は、この一ヶ月間仕事が忙しく、睡眠時間を削って働いていたそうです。夜中に目が覚めると動悸があり、部屋の中がぐるぐると回っている感じがして、めまいは次第に強くなる一方です。また、吐き気もあったので何も手がつかない状態になりました。次の朝、めまいは益々酷くなり、主として回転性のめまいでしたが、ぐらぐらする感じもありました。耳を左下にして寝ている時には症状は治まるのですが、体を動かすとめまいと吐き気を感じたそうです。 そんな状態でしたので、Uさんは午前中直ぐに当クリニックに受診されました。この日の治療としては、点滴と内服薬を処方しました。「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」を中心として1週間処方して様子をみることにしました。この漢方を服薬して2・3日でめまいと吐き気が少し治まり、1週間で症状は殆ど感じなくなました。更に1週間追加して服薬したところ、2週間で症状は完全になくなり、活力が出てきました。 Uさんには「苓桂朮甘湯」がよく作用しましたが、誰にでもこの漢方が効くわけではありません。主として虚証タイプの方には「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」が効きますし、お血(おけつ)を伴う場合には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「桂枝茯怜丸(けいしぶくりょうがん)」等が有効です。
「苓桂朮甘湯」は、中国の漢方の原典である医学書「傷寒論」や「金匱要略」に記載されている漢方薬です。水滞によっておこる諸症状の治療としてよく使われる薬方です。東洋医学では、胃内停水で過剰な水分が体内にある場合や尿の出が悪く、代謝がうまくいかない症状を水滞といいます。この水滞が原因の一つとして、頭痛、めまい、動悸などが引き起こされると考えられています。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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