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| 老化防止のための漢方 - その6 - 「交通事故の後遺症」 |
先日、69歳の女性Tさんが来院されました。このTさん、数ヶ月前にバイクとの接触事故で転倒にしてしまいましたが、幸いなことに軽い打撲だけだったそうです。しかし、それ以来、首を後ろに曲げる時、頚部と後頭部が痛く、腰も強く打撲した為に整形外科で治療したり、鍼(はり)治療・整体治療をしてもらっても殆んど病状が変わらず、当クリニックへ来院されました。 診察したところ、左頚部の筋肉が非常に硬くなっていました。レントゲンなどの検査では何の以上もありませんでした。こういう症状を東洋医学では、外傷性お血(おけつ)と呼んでいます。鞭打ち症状により、頭痛・肩こり・目眩などで苦しんでいる人は少なくありません。漢方では、外傷による小さな出血や何らかの異常が起こり、その周囲い血液循環の悪くなったところができ、それが引き金となって様々な症状が起きるのではないかと考えられています。 「お血」という状態は、一般的に腹部の血液循環が悪くなって卵巣や子宮に影響を与え、それがホルモンの異常や自律神経の失調状態を引き起こし、いわゆる「血の道症」の原因の一つと考えられています。一般に「加味逍遥散(かみしょうようさん)」や「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」がよく使われますが、「治打撲一方(ちだぼくいっぽう)」という読んだだけでも効きそうな処方もあります。この患者さんも「治打撲一方」を中心とした治療で、除々に快方に向かっています。
治打撲一方は、浅田宗伯による『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』に、香川修庵による経験方として記載されている薬方です。主に打撲の治療に処方され、患部の血行をよくしながら、腫れや痛みをやわらげる効果があります。 桂皮(けいひ)、大黄(だいおう)、甘草(かんぞう)、 川骨(せんこつ)、丁子(ちょうじ)、樸そく(ぼくそく)、川きゅう(せんきゅう)の7種類の生薬から構成されています。症状としましては、打撲、捻挫・打撲後遺症などによる、患部の腫れや疼痛に処方されています。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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