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| 老化防止の為の漢方 − その4 − 「老人性皮膚掻痒症」 |
老人性皮膚掻痒症という少し厄介な皮膚の病気があります。年齢を重ねるに従って、皮膚に潤いがなくなり、症状としてはカサカサして、大変痒いのが特徴です。アトピー性皮膚炎もそうですが、秋から冬に掛けて、この時期は湿度が下がり始め、空気が乾燥気味になってきます。それまで殆ど苦にならなかった湿疹が、一気に悪化し、カサカサして痒みが強くなってきます。老人性皮膚掻痒症は、皮膚全体が痒くなり、日中はさほど気になりませんが、夜間布団入って体が温まると一層痒みが増し、睡眠もままならなくなります。年齢を重ねると寝つきが悪くなる傾向にありますが、この痒みの為に睡眠不足が更に悪化して行きます。 一般的な治療法としては、抗ヒスタミン剤などの痒み止めを服用して、ステロイドの入った軟膏を塗りますが、一時的には症状が治まりますが、副作用もあり、また根本的な治療とはなりません。このような症状の時は漢方での治療をお勧めしています。 漢方の処方に、「当帰飲子(とうきいんし)」という薬剤があります。当帰は血行をよくして皮膚に潤いをもたらす作用があります。体力がなく、何となく元気がない虚証タイプの人の湿疹によく効きます。一方で、体力があって元気の良い実証タイプの方には、「温清飲(うんせいいん)」という処方があり、よく効きます。 この様に漢方治療では、西洋薬のように、この病気にはこの薬という出し方はしません。当院では、西洋医学的な診察と、東洋医学的な診察の両方から判断して漢方処方を行っています。この東洋医学的な診察を「四診(ししん)」と呼んでいます。四診とは「見る・聞く・嗅ぐ・触る」事で診察していく方法です。この診察の結果で「証」を判断し、証に基づいて漢方薬を決める事になります。
当帰飲子は中国の医学書「厳氏済生方(げんしさいせいほう)」を出典とする薬方です。主に体力の低下した人の皮膚病によく処方されます。皮膚の乾燥・かゆみ、貧血症などを伴うものに用い、皮膚に潤いを与え症状をやわらげる効果があります。 温清飲とは、「四物湯(しもつとう)」と「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」の二つの方剤を組み合わせてた薬方です。四物湯で血行をよくして、黄連解毒湯で熱をさますという作用から、温清飲と名づけられています。婦人科疾患や皮膚が乾燥気味で、痒みがあるなどの皮膚病に使用されます。 四物湯は、中国宋時代の漢方の古典である「太平恵民和剤局方(たいへいけいみんわざいきょくほう)」に詳細に記述されています。婦人疾患、血虚などに広く使われ、血行をよくする作用があります。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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