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| 老化防止のための漢方 − その19 − 「更年期障害」 |
ある日、穏やかな雰囲気の上品な女性(Uさん)が来院されました。Uさんは45歳の奥様で、中肉中背、色白でぽちゃりした体型の方でした。 「今日はどうされましたか?」と尋ねると、Uさんは「最近、生理が不順で時々来ない事もあります。急にカーッと熱くなり汗が吹き出でるような感じになります。、のぼせてくると動悸がします。頭痛、目眩、肩こりがあり、イライラが続き、酷く疲れやすいのです。また、よく眠れないのです。」 Uさんの話はそれから更に続き、「目と目の奥が痛みます。目と肩が痛む時に耳が詰まってよく聞こえない事があり、耳鳴りがする事もあります。便秘がちです。いつも手足が冷えて、膀胱炎を起こしやすいのです。右の腰も痛みます。」と、一気に訴えました。これらの症状が2〜3年続いており、婦人科で治療を受けてはいるのですが、なかなか改善されなくて悩んでいるという事でした。 診察してみると、心下部に軽度の振水音があり、左下腹部にお血(おけつ)による圧痛点を認めました。このような訴えを「更年期の不定愁訴」と言いますが、漢方にはこの症状を改善する良い薬があります。それは、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」です。Uさんが、この漢方を飲んでから数日して良くなりはじめ、2ヶ月後には全ての症状が治りました。しかし、Uさんは、加味逍遥散を飲んでいると体の調子が良いので、今も継続して服用されております。
「加味逍遥散」は、中国の宋の時代、陳師文らが1107年に編纂した『和剤局方(わざいきょくほう)』に詳しく書かれています。和剤局方が日本に伝わったのは、平安末期頃と言われています。加味逍遥散は、女性の更年期障害を改善する漢方薬の一つとしてよく用いられますが、特に不定愁訴が非常に多い患者さんに効果を発揮します。 「不定愁訴」とは、頭が重たい、肩がこる、めまいがする、眠れない、夢をよく見る、汗をかく、顔が紅潮する、動悸がする、足が冷える、顔がのぼせる、口が渇き苦い、無気力でうつ的、逆上しやすい、女性の場合は生理不順がある、など多岐にわたる症状がある事を東洋医学でそう呼んでいます。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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