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| 困った時の漢方治療 − その43 − 「手術後に困った事が・・・」 |
ある日、48歳のご婦人(Iさん)が来院されました。Iさんは、5年前に子宮癌の手術を受けていました。癌は市の検診で見つかり、地元の総合病院で再検査をする事になりました。精密検査の結果、手術となり、放射線治療も受けていました。当初は、3ヶ月に1度、診察を受けていましたが、現在は半年に1回の検診だけで、今では特別な治療は受けていないそうです。Iさんは手術後から暫くして体の不調が続くようになりました。病院の医師からは、「特に問題は無いですよ。」と、言われもずっと悩んでいたそうです。そんな時に、お知り合いの方から当医院の漢方治療の話を聞いて来院されたという事でした。 Iさんの訴えを聞いてみると「手術して1年位した頃より、ひどく疲れ易く、気が滅入り、下腹部が張って、吐き気がしたり、胃が痛んだり、また急に頭痛がしたり、顔がのぼせて汗をかいたり、最近は風邪を引き易くなった。」など、複数の症状がありました。 診察してみると、Iさんは色白のすっきりした体型で、あまり余分な脂肪はついていません。お腹の真ん中に大きな手術の痕があり、腹を触診してみるととても柔らかく、みぞおちの辺りを軽く叩くと、ポチャポチャと水が揺れるような音がします。これは、更年期障害的症状と術後の癒着による腸の引きつれによる症状であると考え、虚証の更年期障害の方剤「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」に虚証の冷えに良い「附子(ぶし)」を加え、腸の運動を活発にする「大建中湯(だいけんちゅうとう)」と併用しました。 漢方を服用して4ヶ月後には、顔色がずいぶんと良くなり、風邪は殆んど引かなくなりました。悩んできた、頭痛・のぼせ・冷え・腹部症状はどれも楽になっています。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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