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| 困った時の漢方治療 − その39 − 「アー、髪の毛が抜けていく」 |
ある日、52歳のエンジニアの男性が来院しました。このMさんのご近所に私のクリニックに長く掛かっている女性の患者さんが住んでいて、この女性からの紹介で受診されました。 Mさんの初対面の印象は、髪が薄い為にかなり年齢より老けて見えました。Mさんの話では、「1年前に比べて急に髪が白く薄くなってしまいました。円形脱毛症と言われていた頃は、丸く抜けていた部分が気になっていましたが、最近では全体が薄くなり、地肌が透けて見えるようになりました。大量に髪が抜け始めたのは昨年の秋口からです。」抜け毛以外での症状は、寝つきが悪い、仕事中イライラする、疲れると話をするのが億劫になる、アルコールを飲むと下痢になる等でした。Mさんは大手家電メーカーに勤めて25年経つ、部下を大勢抱えた中堅管理職で、真面目な性格のガッチリした体型の男性でした。これまで、あちこちの皮膚科を受診していましたが、通り一遍の薬とステロイドの軟膏を処方してもらうだけで、その効果は少しも良くなりませんでした。そこで、漢方としては、ガッチリタイプより「柴胡加竜骨牡砺湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」をメインに処方しました。2ヶ月くらい経った頃、新しい黒い髪の毛が生え始め、約1年半でほぼ完全に治りました。初診の頃と比較すると、とても同一人物と思えないほど若返りました。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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