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| 困った時の漢方治療 − その45 − 「真面目な人とイライラ」 |
Sさんとは、学生時代のサークルで一緒でした。30年も経ちますが、来院したSさんは、学生の頃と体型があまり変わっていませんでした。きちんとしたスーツとネクタイ姿で、真面目そうな中年の紳士に見えます。出版社に10年勤務した後に退職して、現在は生活共同組合へ転職していました。来院した時、Sさんはかなりイライラした状態でした。「寝つきが悪く、睡眠が浅い。夜中に何回か目が覚め、かなりのアルコールを飲んでも、朝は早く目覚めてしまう。共働きの妻の愚痴を聞いていると、全部反論したくなり、我慢しているのが苦しい。食欲が落ち、体重が減っているが、アルコールの量は増えている。やらなければならない仕事が山ほどあるのに、こなし切れない。」など、次から次へと訴えが溢れ出てきました。診察してみると、血液検査も含め、血圧が少々高めであること以外はそれほどの問題はありませんでした。お腹を触ると、腹筋ががっちり張っていて、動脈の拍動がお臍の左横から少し上の方まで、かなり大きく触れます。診察した結果、「柴胡加竜骨牡礪湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」と、軽い精神安定剤を処方しました。イライラは2〜3日でなくなり、食欲も出て、熟睡できるようになったと言う報告がありました。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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