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| 困った時の漢方治療 − その61 − 「自分を高血圧と信じ込んで」 |
ある日、60歳代のご婦人Sさんが高血圧の治療の為に来院されました。どこで計っても血圧が異常に高く、降圧剤を飲んでも下がりません。もう3年程近くの内科に通院していますが血圧は180/100くらいあるという事です。そして、「降圧剤が効かないから、いつ頭の血管がプチッといくか分らない。今のうちに漢方薬で何とかならないか」と訴えます。3年前にSさんの姉の夫、つまり義兄が「くも膜下出血」で倒れました。運良く緊急手術で助かり、後遺症も殆んど残さず回復しました。Sさんは、義兄の入院中に数回お見舞いに行きましたが、それ以来血圧が気になってビクビクするようになったのです。Sさんの血圧は、義兄の「くも膜下出血」を見てからのようです。腹診では、フニャとして軟らかく、お臍のすぐ脇で動悸が大きく伝わってきます。そこで、虚証の心配症に良いと言われる「加味帰碑湯(かみきひとう)」を処方することにしました。2週間後、Sさんはあまりビクビクせずに血圧を計り、120/60となっていました。その後2種類の降圧剤を1種類にしましたが、血圧は落ち着いています。更に3ヵ月後、降圧剤を中止しましたが、変化はありません。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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