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| 0歳児からの漢方治療 − その6 − 「原因不明の腹痛」 |
幼児には、「反復性臍仙痛(はんぷくせいさいせんつう)」という子供ならではの腹痛を繰り返す病気があります。臍の周囲が突然キューと痛くなるもので、顔色が急に悪くなって、周りの者もびっくりすることがあります。以前は虫 (寄生虫) がいるとか、腹性てんかんと言われましたが、そんな特別なものではなく、自律神経、なかでも胃腸に関係した副交感神経のたかぶりが常にあると起こりやすい事が分かってきました。一種の自律神経失調症で、食が細く顔色のあまりすぐれない、神経質なタイプの子に起こりやすいと言われています。このような状態の漢方治療には、「芍薬 (しゃくやく)」の含まれた処方が力を発揮します。芍薬には、「腸管のケイレン」簡単にいえば、キューとした痛みで、日常よくみられる腸の状態を鎮める働きがあります。「芍薬甘草湯(しょくやくかんぞうとう)」は、この種の痛みを除くことをお手のものとしています。この他子供と縁の深い処方には、「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」などがあり、消化器の働きを強くする効果のある薬です。芍薬甘草湯のほかに「桂枝 (けいし) 」、「大棗 (たいそう) 」といった一種の滋養強壮剤が、この処方中に多く含まれており、子供の健康増進剤としては、極めて重宝なものです。
「芍薬甘草湯」は漢方の原典といわれる中国の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』に収載されている漢方薬です。この薬方は芍薬、甘草の2種類の生薬から構成されることから由来しています。また別名を「去杖湯(きょじょうとう)」とも呼ばれています。筋肉や四肢の痙攣、疼痛に用いられている薬方で、急激におこる筋肉の痙攣を伴う下肢の痙攣性疼痛(こむらがえり)や、胃腸の激しい痛み等の鎮痛、急激におこる筋肉の痙攣の鎮痙としてよく用いられます。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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