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| 困った時の漢方治療 − その31 − 「10年来止まらない咳」 |
ある日、73歳の男性が来院しました。ずっと病人を抱えて暮らしてきました。今まで大きな病気をしたことはありませんでしたが、この10年ほどずっと咳が続いています。病人の世話の為、自分のことをかまう暇はありませんでした。治療のきっかけは、息子さんが健康診断をしてほしいと連れて来られたからです。検査を行いましたが、胸のレントゲンを含め、特に異常は認めませんでした。息子さんが心配していた結核には感染していませんでした。咳は一度咳こみ始めると、長く続きます。特に、夜布団に入ってから、タンのからんだ咳が苦しいほど続きます。タンが、乾燥した喉にへばりついて出そうとしても出ません。聴診では、喘息の時の笛の様な音も聞こえません。検査結果から、抗生物質は使わず、漢方薬を処方しました。「滋陰降火湯(じいんこうかとう)」と「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を2か月ほど飲み続け、咳は嘘のようにピタッと止まりました。薬を止めて2か月ほど経つと、再び咳で来院しました。今度は昼間に多く軽い咳で、「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」で徐々に軽快しました。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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