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| 困った時の漢方治療 − その7 − 「風邪 − 3」 |
2年前の師走のある日、肩こり・頭痛・冷えなどのいわゆる不定愁訴の多い、中年女性が来院しました。この女性は、身長はそこそこあるのに体重は44Kgしかありません。痩せていてほっそりとした体形で、顔色もつやがなく、目の下にくまどりがあって、何となく精彩に欠けていました。冬になればまず誰よりも真っ先に風邪にかかり、すぐ熱をだし、胃腸が弱くて下痢をしやすいという人でした。こういう人は、両親のいずれかの体質を受け継いでいる場合が多いのです。聞いてみると「母親とそっくりな体質だ」といいます。体質的にはエネルギー不足の虚証の可能性が強く考えられます。漢方独自の診療法である腹診をすると、胃腸にたまった水分のポチャポチャという音がします。漢方ではこれを、胃内停水といいます。たいていは胃下垂傾向の人に多く現れます。ノドの赤みは、わずかしかありません。そこで、虚証と寒がりの寒証を考慮して、「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」と「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」をミックスして処方しました。2週間後には、寒さとだるさが改善され、その後徐々に風邪をひきにくくなりました。
高田メディカルクリニック 院長 古川 一雄
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